北海道 - 蓮の花

8月中旬から9月上旬にかけて、北海道では珍しい蓮の花を観賞出来る場所が有ります。
安平町早来に有る鶴の湯温泉の蓮池は、道内随一のハス庭園ではないでしょうか。

蓮の花は、道内には自生しないので人工的に観賞用として植えられた花なのですが、
早朝、日の出とともに開き始め、午後またとじてゆく、それを数回繰り返した後、花が落ちてゆく。

本来人間の有るべき姿を、この花は静かに私たちに語りかけてくれている。
そんな思いにとらわれながら心静かにカメラを向けると自然口ずさんだのが・・・映画"男はつらいよ"の主題歌（笑）。

"男はつらいよ"　の歌詞の一節に　
『♬ド～ブに落ちて～も、根のある奴は、♬いつかはハチス～の花と～咲く～』
このハチス（蜂巣）→ハス（蓮）　

ハチスの語源はこの花の花芯が蜂の巣に似ているからだそうで、
花の側かな匂いに誘われてだろうか蓮の花芯の周りを飛び交う蜂の姿を見るに、成る程、と頷いてしまいます。
古来中国では、蓮は、不老長寿、万病の薬として重宝され現在でも蓮の種は漢方薬として用いられるそうで、効能、効果としては肉体疲労や血液補充、精神安定などに良いらしいので、ひょっとしたら鑑賞するだけでも、現代人の抱えるストレスで疲れた心身、すり減った感性を癒してくれるのではないでしょうか。
撮影者の感性を刺激し、心のどこかに置き忘れていたものを呼び起こす力、それがこの花の魅力なのかもしれません。